お中元の費用相場はいくら？
お中元の費用相場はいくら？
贈る際のマナーやギフトの選び方も解説
お中元は、日本の夏の大切な習慣の一つです。日頃お世話になっている人々に感謝の気持ちを伝えるためのギフトとして、多くの人が贈り物を準備します。しかし、初めてお中元を贈る際には、どのような品物を選び、どの程度の費用をかけるべきか、悩むこともあるでしょう。
この記事では、喪中の方がお中元を送る際の注意点や、喪中の相手にお中元を送る際のマナーについて詳しく解説します。相手への配慮を大切に、品物や包装、言葉の選び方など、細かな点に気を配りながら、感謝の気持ちをしっかり伝えましょう。
お中元の費用相場はいくら？
お中元にかける費用は一般的に3,000円から5,000円程度といわれていますが、贈る相手や関係性によって異なります。ここでは一般的な費用相場をご紹介します。
両親・義両親・兄弟・親戚
両親や義理の両親、兄弟、親戚などの近しい関係の方には、3,000円から5,000円程度のギフトが一般的です。家族だからこそ気負いすぎず、相手の好みや家族構成に合った実用的な品物を選ぶことがポイントです。
自分の両親や兄弟などには、気軽に贈れる3,000円程度のギフトを、義理の両親には5,000円程度の品物を選ぶなど、相手との関係性を考慮して価格帯を決めると良いでしょう。また、贈り合いの習慣がある場合は、事前に双方で費用感を話し合っておくと安心です。
友人・同僚
友人や職場の同僚に贈る場合は、3,000円程度の手頃な価格帯が適しています。対等な関係性だからこそ、お中元のやり取りが過度な負担とならないような配慮が大切です。高価すぎるギフトを贈ると相手に気を遣わせてしまう可能性もあるため、価格を抑えた品物を選び、感謝の気持ちをより自然に伝えましょう。
上司
職場の上司に贈るお中元の相場は5,000円程度が目安です。特にお世話になっている上司へ感謝の気持ちを込めて贈る場合でも、高価すぎる品物は避けるようにしましょう。1万円を超えるようなギフトは相手に気を遣わせてしまい、かえって負担になる可能性があるためです。
自また、会社のルールや慣例によっては職場内での贈り物が禁止されている場合もあるため、事前に確認しておきましょう。
取引先
ビジネスの取引先に贈る場合も5,000円程度が相場です。ただし、特にお世話になっている取引先であれば、1万円を上限に感謝の気持ちを込めた品物を選ぶと良いでしょう。
品物を選ぶ際は、小分けにできる、常温保存が可能、日持ちする、などを重視します。会社全体で共有できるお菓子や飲料などを選べば、喜んでもらえる可能性が高まります。また、競合他社の商品を贈らないよう注意することも重要です。
なお、取引先の中には贈り物の授受を禁止している企業もあるため、事前に確認することが大切です。特に、公務員への贈り物は、法律や各自治体の規定で禁止されています。
仲人
仲人へのお中元は、特別な関係性を考慮して贈ることが大切です。特に新婚と呼ばれる結婚後3年間は、お中元を贈る習慣が一般的とされています。この場合の相場は5,000円程度で、感謝の気持ちを込めて品物を選びましょう。
結婚から4年目以降はお中元を贈る必要はありませんが、何の連絡もなく急に贈るのをやめるのは相手に心配をかけるため避けましょう。暑中見舞いや残暑見舞いの挨拶状を送るなど、お中元とは別の方法で感謝の気持ちを伝え続けることが大切です。
恩師・習い事の先生
恩師や習い事の先生へのお中元の相場は、3,000円から5,000円程度とされています。
習い事におけるお中元の習慣は年々薄れつつありますが、教室や地域によっては続いている場合もあります。個別に渡す際には、誰もいない場所を選び、相手に気を遣わせないよう配慮することが大切です。
お中元をもらったらお返しは必要？
お中元は、季節の挨拶として感謝や健康を願う気持ちを込めた贈り物であり、お祝いの意味合いは含まれていません。そのため、喪中であってもお中元を贈ること自体には問題がないとされています。
お礼状を書く際には、相手への感謝の言葉とともに、いただいた品物がどれだけうれしかったかを具体的に伝えると良いでしょう。形式的な内容になりすぎず、心を込めたひと言を添えることで、相手に喜ばれるお礼状となります。
どうしてもお返しをしたい場合は、いただいた品物の半額程度の価格帯の品物を、期間を空けずに用意しましょう。いただいた品物よりも高いものを贈るのは失礼にあたるため注意します。お中元の時期に用意できるのがベストですが、過ぎてしまった場合は暑中見舞いや残暑見舞いとして贈るのが適切です。お返しとしてではなく、新たなお中元として同額程度の品物を贈るのも一つの方法です。
いずれにしても、お中元をいただいたら迅速にお礼を伝えることが、良好な関係を保つためのポイントです。何よりもマナー違反になるのは、何もしないこと。相手との関係性を考慮し、お互いに気持ちの良い対応を心がけましょう。
お中元とお歳暮は両方贈るべき？
お中元は上半期の感謝を、お歳暮は一年間の感謝を伝えるためのものです。必ず両方を贈る必要はありませんが、両方贈る場合は、お中元の値段をお歳暮よりも2～3割程度下げるのが一般的です。
また、どちらか一方しか贈らない場合は、お歳暮を選ぶほうが良いとされています。お歳暮は1年を締めくくる挨拶と感謝の意味があり、相手にとっても特別感が強いためです。お中元を省略する際には、夏のご挨拶として暑中見舞いや残暑見舞いを送り感謝の気持ちを伝えると丁寧です。
一方、お中元を贈った場合にはお歳暮も贈るのがマナーです。お中元のみを贈ることは失礼にあたるため避けましょう。
お中元を贈る際のマナー
続いて、お中元を贈る際のマナーを3つご紹介します。
贈ってもよいかを相手に確認する
お中元を贈る際には、相手がその贈り物を受け取れる状況にあるかどうかを事前に確認することが重要です。
ビジネスの場では、個人や企業の負担を軽減するため、または贈り物が賄賂として誤解されるのを防ぐため、贈答行為を禁止しているケースがあります。特に公務員の倫理規程では、利害関係者からの金品や接待を受けることが厳しく禁止されています。
お祝いの言葉は使わない
お中元を贈る際、品物と一緒に挨拶状を添えることが一般的ですが、相手が喪中の場合は「お祝いの言葉」を使わないよう注意が必要です。
お祝いの言葉の代わりに、相手の体調を気遣う言葉を添えるのがマナーです。「ご自愛ください」や「お身体を大切にしてください」など、相手の健康を気遣う言葉を選びましょう。
また、挨拶状には、相手の悲しみをさらに深めるような故人の思い出話や、過度な気遣いの言葉を避けることが大切です。「ますます」や「たびたび」などの重ね言葉も不適切とされています。相手の立場を十分に考えた言葉を選び、挨拶状を作成することが重要です。
毎年同額程度の品物を贈る
お中元は、一度贈ったら同価格帯の品物を毎年継続して贈るのが一般的です。また、年ごとに贈り物の金額が変化するのは失礼にあたります。品物選びの際にはしっかり金額を確認しましょう。
大切なのは、贈り物を通じて日頃の感謝の気持ちを伝えることです。形式にとらわれすぎず、自分と相手にとって負担のない範囲で、長く続けられる感謝の伝え方を見つけてください。
ネガティブな連想をさせる品物は選ばない
お中元の品物は、贈る相手の好みや相手との関係性を考慮して選ぶことが基本です。
目上の方に贈る場合には、マナーや贈り物の意味合いに注意する必要があります。例えば、商品券やギフトカードは好きなものを選べる便利な贈り物として一般的に喜ばれることが多いですが、目上の方に贈るのは避けるべきです。現金と同じ扱いのものであり、お金に困っていると思われているのではないかと捉えられてしまう恐れがあります。また、金額がはっきりわかるため、品物選びに心を込めた配慮が感じられにくいという点も理由の一つです。
さらに、お中元の品物には、語呂合わせや使い方が原因でネガティブな意味を持つものがあります。具体例は以下のとおりです。
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刃物類（包丁、ハサミなど）
縁を断ち切ると連想されるため、お中元には不向きです。ただし、料理が趣味の方からリクエストがある場合などは例外です。
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履物（靴、スリッパ、マットなど）
相手を踏みつけるという意味合いを持つため避けるのが無難です。
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ハンカチ
手巾という漢字が手切れを連想させるため、別れを暗示するとされています。
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櫛や数字にまつわるもの
櫛は「苦」と「死」を連想させる語呂合わせとなります。4や9が含まれる品物も同様に避けるべきです。
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時計や筆記用具
時計には時間に縛られるニュアンスがあるため、また、筆記用具は勉強が足りないことを想起させるため、目上の方にはふさわしくありません。
心を込めて選んだ贈り物が相手にとって良い印象を与えるものになるよう、品物は慎重に選びましょう。
お中元のギフトの選び方
お中元で贈るギフトは、相手に喜んでもらえるものを選ぶことが重要です。最後に、相手の立場や家族構成を考慮しながら適切なお中元ギフトを選ぶためのポイントを解説します。
相手の好みで選ぶ
まずは何より、相手の好みに合わせることが大切です。甘いものが好きな人にはスイーツを贈るなど、日頃から相手の好みや食の嗜好を気に留め、情報を収集しておくことが重要です。
相手の人数構成で選ぶ
取引先や会社宛に贈る場合は、個包装で相手方の人数よりも数が多く入ったお菓子や飲み物を選びましょう。人数に合わせて分けやすく、相手方に大きな手間をかけさせることがありません。
親戚や知人への贈り物も、家族構成に合わせて選ぶことが大切です。少人数の家庭であれば日持ちする品物を少量贈ると良いでしょう。
相手のライフスタイルで選ぶ
相手のライフスタイルへの配慮も重要です。健康に気を遣っている方にはオーガニックや無添加、ヘルシーなどの特徴を持った品物を選ぶと良いでしょう。
また、料理が得意で食へのこだわりが強い方には、少し高級な調味料や食材を贈るのがおすすめです。高級なオリーブオイルや塩、トリュフオイルなど、普段はなかなか手に入らない珍しいアイテムを選ぶと、料理好きの方には特に喜んでもらえます。
季節に合ったものを選ぶ
季節感も大切にしましょう。ゼリーやジュース、そうめんなど、夏の暑さを和らげるような、涼しげで季節感のある贈り物を選ぶと喜ばれます。
お中元の相場やマナーを踏まえて感謝のギフトを贈ろう
お中元は、日頃の感謝の気持ちを伝えるのにぴったりの贈り物です。ただし、相場やマナーをしっかりと守り、相手の好みやライフスタイルに合った贈り物を選ぶ必要があります。
また、どちらか一方しか贈らない場合は、お歳暮を選ぶほうが良いとされています。お歳暮は1年を締めくくる挨拶と感謝の意味があり、相手にとっても特別感が強いためです。お中元を省略する際には、夏のご挨拶として暑中見舞いや残暑見舞いを送り感謝の気持ちを伝えると丁寧です。
大切なのは、高額であることではなく、気持ちがこもっているかどうかです。相手への配慮が伝わる品物を選ぶことで、より喜ばれるお中元ギフトになるでしょう。